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臨床現場をつなぐ情報連携。部署を越えたコミュニケーションへ

導入事例
臨床現場をつなぐ情報連携。部署を越えたコミュニケーションへ
課題
  • 個人向けチャットアプリには患者情報を書けず、必要な連絡が困難
  • 空床の状況が見えず、医師からの確認依頼が発生
  • 職員への連絡がPHSと院内メールに限定され、1対1のやり取りが中心
効果
  • 病院公式の業務アプリとして、安全に患者情報をやり取り
  • 空床や退院の最新状況を、多職種が同時に把握
  • 多人数で、同じ内容を一斉に共有

臨床現場をつなぐ情報連携。部署を越えたコミュニケーションへ

医療法人 臼井会 田野病院
高知県安芸郡田野町で、安芸医療圏の地域医療と救急を担う医療法人 臼井会 田野病院。一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟を合わせた103床の体制で、在宅・通所のサービスとも連携しています。
同院の看護部では、空床や退院の進み具合の共有、感染発生時の連絡など、患者さまに関わる現場のやり取りにkotomos(コトモス)を使っています。導入前に感じていた課題や、現在感じられている成果を、看護部長の岡本さん、看護副部長の岡林さんに伺いました。

導入前に感じていた課題を教えてください。

岡本さん:
看護の現場では、患者さまの情報を含む連絡が日常的に発生します。以前は個人向けアプリを使ってチャットグループを作っていました。ただ、患者さまの情報になると、情報漏洩の心配があり、踏み込んだ話はできませんでした。

また、個人向けアプリを使う場合、相手の連絡先を知らないと、チャットグループにも入れません。勤務の調整や、ちょっとした依頼でも、電話をかけたり、連絡先を知っている人に取り次いでもらったりしていました。同じことが、空床の確認でも起きていました。医師からの「今、ベッドは空いているか」という確認でも、外来看護師を通じて問い合わせが来ることもありました。院内で全員が使える手段は、PHSか院内メールしかなく、それら以外で共有できる方法がないか、という話は以前からありました。

看護部長の岡本さん
看護部長の岡本さん

岡林さん:
感染対策の業務でも、感染者が発生したときなどに、以前は個人向けアプリを使う場合もありました。しかし、安全面で個人情報を入れることが難しく、必要なやり取りがしにくいという課題がありました。

伝達事項を出すツールは、イントラネットや院内メールがありましたが、閲覧できる端末が限られているため、見ない職員が多く、送っても見ていない、ということもよくありました。

看護副部長の岡林さん
看護副部長の岡林さん

kotomosを選ばれた理由について教えてください。

岡本さん:
PHSと院内メール以外の、医療現場の連絡として使える公式の手段がほしかった、というのが大きいです。個人向けのアプリで、患者さまに関わるやり取りをする場合、個人情報を入力しないよう細心の注意を払う必要があり、負担が大きい状況でした。

kotomosは、職員のアカウントが一括管理されているため、個別の連絡先を知らなくてもつながれます。連絡先を調べたり、連絡先を知っている人を探す必要がなく、すぐにグループを作れます。たとえば、研究発表や入退院の調整グループのように、看護・医師・リハビリ・ソーシャルワーカーなど多職種が1箇所でやり取りできています。

岡林さん:
感染関連の情報発信では、個人情報を含むやり取りが必要になります。kotomosでは、患者情報をそのまま入力して伝達できる点が大きいです。加えて、個人のスマートフォンに届くので、イントラネットよりも見てもらえている、という実感もあります。

導入時の課題や、定着までの工夫について教えてください。

岡本さん:
使い始めの頃は、個人向けアプリに慣れている職員が多く、「これまでのツールでいいのではないか」という声が目立ちました。新しいアプリを入れることへの不安もありました。最初から自然に切り替わった、というより、「お知らせやグループでの連絡はkotomosで行う」と、意図的に手段を限定していきました。

各部門のリーダーからも「これはkotomosで連絡する」と発信してもらい、使いながら「グループで話すときはこちらの方がやりやすい」と感じてもらう形です。

今では、「それならkotomosでチャンネルを作ってやり取りしよう」という会話が、普通に出るようになってきました。操作そのものは、特に難しくありません。また、困ったことが起きたときは、総務課にすぐ相談できる体制を整えていることが定着に効いていると感じています。

岡林さん:
使ってもらう工夫としては、チャットのグループを作り、そこで情報交換する機会を意図的に増やしました。やり取りする場面が増えると、職員も使ってくれるようになりました。

一方で、まだ有効活用できていないメンバーもいるため、継続して対象者を巻き込み、kotomosが必ず目に入る状態にしていく必要があります。

導入後の成果を、具体的な使い方とあわせて教えてください。

岡本さん:
成果として大きいのは、空床や退院の進み具合を、医師やリハビリ、ソーシャルワーカーと同じ場所で確認できるようになったことです。以前は外来看護師を通じて届いていた確認が、毎朝同じ情報を共有したうえで動ける形に近づいています。返信も早いので、「あれはどうなったか」と気にかけることも減りました。

具体的な活用例としては、

  • ベッドの空き状況と、退院の進み具合の共有
  • 医師とコメディカルの間の、個人情報を含む伝達
  • 特定の委員会での会議案内や出欠確認

などがあります。

入退院の共有は、kotomosを使い始めてから「情報共有をどうするか」という話になり、チャンネルを作って運用しています。空床が少ないので退院を進めたいのか、空床に余裕があるので急がなくてよいのかを、看護部だけでなく、医師、リハビリ、ソーシャルワーカーも同じ内容として見ています。誰が見たかも分かるので、朝の情報を関係者が見てくれているかも確認できます。

医師からは「朝の情報を見たうえで診療に入れるから助かる」という声があります。退院を進める必要があるか、入院させた方がよいか、外来で様子を見られるか。状況は同じでも、診療への入り方が違うと話していました。

以前は、外来看護師を通じて医師から問い合わせが来ることもありました。件数は測っていませんが、こうした医師からの問い合わせは、以前より少なくなってきた印象があります。

部署をまたぐ連絡でも、同じことが言えます。リハビリの研究大会では、発表者を中心にチャンネルを作り、アンケートや資料の共有をしました。リハビリの職員にも入ってもらいたい、となったときも、連絡先を知っている人を探す必要がありませんでした。チャンネルを作って入ってもらい、そこに投稿すれば済みます。

岡林さん:
感染対策では、感染者が発生したときの連絡を、看護師だけのチャンネルで行うようにしています。患者名などをそのまま入力してやり取りできる点が助かっています。

感染対策チームのメンバー向けには、会議の案内や出欠確認に使っています。イントラネットより早く届き、日程が自分の手元に残るので見やすいです。院外の地域の関係者との連絡でも、会議の調整や課題の共有に使っています。パソコンのある場所まで行かなくても、スマートフォンで確認できる点が、病棟の動き方には合っています。

貴院の展望とkotomosに期待することをお聞かせください。

岡本さん:
医療現場で使う以上、連絡だけでなく、電子カルテなど院内の他システムにある情報ともつながるとよいと考えています。「この患者さまは今どうなっているか」「この記録はどうか」を、行き来せずに確認できる状態が理想です。連絡の場と、診療・看護の記録が分かれたままなのは、現場としてはまだ手間が残っています。

また、音声などから、6割から7割程度の下書きが自動生成されれば、あとは見直す形にできます。そのような補助を、医療現場の連絡手段であるkotomos側でも使えると、現場としては助かります。

岡林さん:
電子カルテと連動していくなら、看護記録の補助にも使えるとよいと考えています。

また、特養や外部施設とのやり取りにも関心があります。ソーシャルワーカー経由で「ベッドに空きがある」といった情報が入り、委員会やミーティングで共有するという流れがあります。院内の多職種だけでなく、地域の外部施設とも同じ場で入退院の調整ができると、もう少し効果的にやり取りできるのではないかと感じています。外部事業所連携機能などの利用も、今後検討していきたいです。

チャット以外では、災害時の安否確認や、職員の健康管理に関するアンケートにも使っていきたいです。これまで委員会などのアンケートは、別のWebフォームサービスを使い、QRコードを読み込んでもらう形で実施していました。kotomosなら、アンケートを職員のスマートフォンに直接届けられ、対象者を看護部だけに絞ることもできそうです。

※ 掲載している内容、所属、役職は取材を実施した2026年9月当時のものです
※ 記事中のAI関連の機能、電子カルテとの連携は、2026年10月時点で開発中、提供予定、または今後の検討事項です

機関名:医療法人 臼井会 田野病院(看護部)所在地:高知県規模:103床部署:看護部
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