電話・メモに頼らない院内連携へ。
必要な情報がすぐ届き、後から確認できる体制を実現
医療法人 和光会 木俵病院
高知県四万十市で「地域に密着した医療」を提供している医療法人 和光会 木俵病院。
同院は、2025年12月よりkotomos(コトモス)のパイロット導入を開始しました。もともと抱えていた課題や、導入に至った背景、現在感じられている成果を、事務長の新谷さんと、システム担当の佐竹さんに伺いました。
導入前に感じていた課題を教えてください。
新谷さん:
一番大きかったのは、情報伝達の課題です。以前は電話や対面での連絡が多く、連絡のたびに業務の手が止まってしまいました。また、電話や口頭での連絡では記録が残りにくく「言った・言わない」の問題も起きやすい状況でした。
加えて、机の上が紙のメモでいっぱいになることも課題でした。電話や口頭で受けた内容をメモに残したり、他の職員がメモを残していったりするのですが、紙のメモは紛失するリスクがあり、後から確認しにくいという問題がありました。

佐竹さん:
情報伝達のためのイントラネットもありましたが、見る人と見ない人がいることが課題でした。掲載しても全員に確実に届くとは限らず、必要な情報が十分に共有されない場面がありました。そのため、全員に必要な情報を届けられる仕組みと、グループや個別のやり取りを記録として残せる仕組みの両方が必要だと感じていました。周知と双方向のコミュニケーションを一つの場所で行える環境を求めていました。

kotomosを選ばれた理由について教えてください。
新谷さん:
特に重視したのは、職員全員が無理なく使えることと、伝達内容が後から確認できることでした。説明書を読まなくても使える直感的な操作感も重要で、kotomosの画面を見たときに「これなら現場で使えそうだ」と感じました。
また、お知らせやカレンダーなど、院内連絡に必要な機能を一つにまとめられる点も、運用の負担を増やさないうえで選定理由になりました。カレンダーでの備品管理や、グループ限定のお知らせ配信など、細かな現場のニーズにも対応できる点も評価しました。
佐竹さん:
セキュリティ面も重視しました。医療情報を扱う以上、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン等を踏まえたセキュリティ対策が重要だと考えていました。医療機関では、非常にデリケートな個人情報を扱います。そのため、そうした情報を安心して扱えるツールであること、セキュリティがしっかり担保されていることは、重要な選定材料の一つでした。その点、kotomosは医療現場向けに開発されていることもあり、院内で情報を共有するうえでの安心感につながりました。
導入時の課題や、定着までの工夫について教えてください。
新谷さん:
職員全員が利用するための端末確保が課題でした。BYOD(個人端末利用)の運用も検討しましたが、慎重な意見もあったため、まずは院内端末を使って運用を開始することにしました。全職員分の端末は用意できませんでしたが、各部署に1〜2台の端末を配置し、利用を始めています。kotomosは、1つの端末で複数人のアカウントを運用できる点も特徴の一つです。今後はその機能も活用しながら、職員一人ひとりの利用を広げていきたいと考えています。
佐竹さん:
利用し始めてからは、大きな課題はなかったように思います。当初は、詳しい使い方の説明が必要になるかもしれないと考えていましたが、使い始めてみると想像以上に職員がスムーズに適応してくれました。便利な使い方を自分たちで見つけながら活用してくれていることも、良い点だと感じています。各部署にツールに慣れた職員がいることが、定着が進んだ大きな要因の一つだと思います。
また、メディカルアンドテクノロジーズさんの問い合わせへの対応が早く、要望が改善につながることも、職員が使い続けるうえで支えになっています。
導入後の成果を、具体的な使い方とあわせて教えてください。
新谷さん:
成果としては、電話や対面の連絡およびそれに伴う移動・待ち時間の削減、紙のメモの削減があります。
電話連絡については、緊急度に応じて手段を使い分けられるようになったことが大きいです。今すぐ伝える必要があることは電話で、後で確認してもらえればよいことはkotomosで共有する、という共通認識が院内に根づいています。チャット機能を活用することで、相手の業務を中断せず、相手のタイミングで必要事項を確認してもらえる運用が定着してきました。
対面で確認していた内容も、kotomosで共有できるようになったことで、相手の場所まで移動したり、対応を待つ時間を減らせています。
また、内容がテキスト記録として残るため、後から確認しやすくなった点も効果を感じています。これまで紙のメモで残していた内容も、kotomosに置き換えられてきています。紙のメモのように紛失したり、後から探しづらいということが減ってきている感覚があります。
具体的な活用例としては、
- 部署横断での院内業務連絡
- 訪問リハビリなど、院外で業務をする人との情報連携
- 災害時や天候不良時の連絡
などで、有効に使われています。
部署横断の利用では、伝えるべき情報を関係者に一斉に共有するようになりました。例えば、委員会の議事録共有や、患者さまの転院・施設入所に関する部署間連絡など、これまで関係者へ個別に伝えていた内容を一斉に共有しています。結果、個別連絡の手間や、連絡のために移動する時間が削減されました。
訪問リハビリでは「今すぐ対応する必要はないものの、その日のうちに処理が必要な連絡」に有効活用されています。例えば、訪問予定のキャンセルや日程変更を、社内の別システムにも反映する必要がある場合、チャットで内容が残ることで、取り消しや追加対応を間違えずに行えています。
災害時や天候不良時の連絡では、安否確認の専用システムもありますが、状況によってはkotomosで連絡した方が早く、必要な情報を迅速に共有できる場面があります。
全体に共通して言えるメリットは、誰が見ても同じ情報にアクセスできるようになった点です。口頭や個別連絡では、伝わる内容に差が出たり、後から確認しづらかったりすることがあります。kotomosに情報が残っていれば、関係者が同じ内容を確認できます。 大きく一気に業務が変わったというより、これまで手間だったことが少しずつ減ってきている感覚です。電話、移動、メモ、個別確認といった小さな負担が積み重なる現場業務において、こうした変化はとてもありがたいと感じています。
貴院の展望とkotomosに期待することをお聞かせください。
新谷さん:
院内で今後推進していきたい取り組みとして、「タスクシフト」があります。これまで特定の職種しか担えなかった業務を、他の職種でも対応できるようにしていく考え方です。
タスクシフトを進めるためには、情報を可視化し、職種や部署を越えて連携できる基盤が必要です。加えて、それぞれの職員が適切に判断・対応できるよう、個人の業務を支援する機能も重要だと考えています。今後は、kotomosをさらに活用しながら、院内の情報連携を強化し、タスクシフトの推進につなげていきたいです。
kotomosには、チャットやカレンダーのような汎用的な機能にとどまらず、医療に特化した情報共有・臨床支援の基盤として発展していくことを期待しています。例えば、医療現場独自の報告文化を効率化できる機能や、現在の薬剤情報のように、現場で必要とされる臨床情報へ簡単にアクセスできる機能があると、より実務で活用しやすくなると感じています。
佐竹さん:
現在は、部署の中でも一部のツール活用が得意な人が利活用を引っ張っている状況です。今後は、職員一人ひとりが自分の業務に合った便利な使い方を考え、日々の業務改善につなげていけるようにしたいと考えています。
その点で、AI機能にも期待しています。例えば、現在開発中と聞いている、院内独自の手順書や規程についてAIに質問できる機能や、臨床関連の質問にAIが回答してくれる機能は、個人の生産性向上につながると考えています。必要な情報を探す時間を減らし、迷ったときにすぐ確認できるようになれば、職員一人ひとりがより効率的に業務を進められるようになると考えています。
※ 掲載している内容、所属、役職は取材を実施した2026年6月当時のものです
